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JR東海交通事業は1988年に設立された東海交通事業をその祖としています。
JR東海の100%の子会社で、当初は駅業務の委託を行っていましたが、
1991年に勝川 - 枇杷島間の城北線の運営を始めています。
城北線は、中央本線の枇杷島と東海道本線の
枇杷島を繋ぎ、名古屋の北部を東西に走る路線です。
勝川駅と枇杷島駅の構内では単線になっていますが、
その他の区間は、未電化の高架複線路線です。

城北線は、元々は国鉄時代に計画された国鉄瀬戸線や
岡多線の計画に関連した路線です。
列車の設定本数がひっ迫してきた名古屋地区の東海道本線の
バイパスルートとして、岡崎から新豊田を経由して多治見に向かう
岡多線の瀬戸市から、高蔵寺を経由し、勝川から名古屋の
北部を経由し、枇杷島と稲沢へと向かう路線が計画されました。
この計画では、貨物列車のバイパスルートだったのですが、その後、
岡崎 - 高蔵寺間は愛知環状鉄道として1988年に全線開業しています。
そして、中央本線と並行する高蔵寺 - 勝川間は計画が凍結され、
名古屋市北部を通る区間が城北線として1991年に開業しました。
愛知環状鉄道の乗車記は こちら です:
城北線には1993年に乗車していますが、
その後2012年9月に再乗しています。
その際の様子を紹介します。
この日は名古屋市内でちょっとした用事があり、
その後に、大曽根駅からJR中央本線の
電車に乗り勝川駅に向かいました。

勝川駅に到着する直前に、進行左手に
城北線の勝川駅が見えていました。
勝川駅で下車しました。
勝川駅のホームは、2面のホームの外側の2つの
線路を中央本線の上下線が使用しています。
2つのホームの間にも2本の線路を敷くスペースが
あるのですが、ここは今でも線路が敷かれていません。

ちなみに、上の写真に写っている車両は2025年のダイヤ改正で
廃車になり、いまはJR中央本線には新しい車両が走っています。
城北線と中央本線の勝川駅は少し離れています。
現在の城北線の勝川駅は仮駅的な位置づけで、将来は、
中央本線の勝川駅に乗りいれ、その際に、中央の2つの
線路のスペースが城北線用に使用されると言われています。
勝川駅は、名古屋口のJR中央本線の主要駅の一つです。

一日の乗降客数は約2万8千人です。
勝川駅は、市の代表駅の春日井駅よりも早く開設されています。
これほどの乗降客数と歴史を誇る駅ですが、2024年に無人化されています。
JR勝川駅から城北線の勝川駅までは5分ちょっと歩く必要があります。
勝川駅を出て左手に向かい、中央本線の高架線に沿って歩きます。

城北線の勝川駅に向かう途中では、中央本線の勝川駅に
将来、城北線の線路が接続する線路の構造が良く判ります。
城北線の線路は、JR中央本線の上り線の下をくぐり、
勝川駅に向けて勾配を上っていく構造になっています。
その少し先に、高架の城北線・勝川駅が見えてきました。

しかし、城北線の勝川駅の高さは、JR中央本線の高架線の
高さとほぼ同じになっていて、将来城北線をJR中央本線の
勝川駅に延長しようとしても、そのままでは無理があります。
城北線の高架の勝川駅に向かう階段の途中で
JR中央本線の勝川駅を振り返った様子です。

箱型のコンクリートの枠が将来の城北線の
線路が通るところになると思います。
箱型のコンクリートは階段の途中の位置
よりも低く、やはり高架の城北線から
接続するには無理がありそうです。
高架橋の上まで上っても、すぐに駅はなく、
線路わきの細い通路を歩いていきます。
途中に、留置線に置かれた城北線の
列車の脇を通りました。

こうして、JR勝川駅から10分近くかけて
城北線の勝川駅に辿り着きました。
高架の城北線勝川駅からは眺望がよく効きます。
城北線の勝川駅の様子を動画で撮影しました。
上の動画の最後に映っている車両が城北線の車両です。
1両編成のキハ11系の気動車です。
かつては高山本線や紀勢本線でも走っていましたが、
いまではJR東海の名松線とこの城北線のみで使用されています。

城北線は、名古屋市北部の人口も多い地域を走るのですが、
運転本数は日中1時間に1本、朝夕の通勤通学時間帯に
20分から30分に一本というダイヤで、運転本数も多くなく
利用客は多くないようです。
勝川駅に停車中の車内の様子です。

数人の乗客はいたと思いますが、ほぼ貸し切りの状態でした。
キハ11は、先頭部から全面の展望がいい車両です。
停車中、先頭部からの進行方向の眺めです。

高架の線路の向こうに、高速道路が見えています。
定刻となり、枇杷島行の列車が発車しました。
勝川を発車すると線路はすぐに複線となり、高速道路を
アンダークロスするとその高速道路に沿って走りました。
勝川 - 味美間の前面展望の様子を動画で撮影しました。
左手には名古屋の高層ビル群も見えていました。
名鉄小牧線をオーバークロスすると味美です。

こちらは、味美 - 比良間の前面展望の様子です。
架線柱のない、複線の高架線を走るのは、景色が開けて爽快です。
日本では、未電化の複線区間は数少なく、高架の未電化
複線区間となると、伊勢鉄道の鈴鹿周辺と、
この城北線だけではないでしょうか。
伊勢鉄道を走る快速「みえ」号の乗車記は こちら です:
比良駅に到着しました。
ここで数人の乗車がありました。

比良からも、高速道路に沿って走りました。
比良 - 小田井間の前面展望の様子です。
小田井の手前で高速道路と別れました。
小田井では名古屋駅前の高層ビル群が
随分近くに見えるようになっていました。

小田井駅に停車中の様子です。

小田井駅で、下車する人の姿もありました。
城北線は小田井の西側で名鉄犬山線をオーバークロスします。

小牧線との交差部に近い味美も、この小田井も、
名鉄との交差部には駅は設けられておらず、乗換には
夫々750mおよび500mもの距離を歩かなければなりません。
既存の鉄道との連絡が悪い点も、城北線の利用客が
少ない理由の一つになっていると思います。
小田井 - 尾張星の宮間の前面展望の様子です。
小田井を発車し、名鉄線をオーバークロスすると、
前方遠くに養老山地が見えてきました。
その先で、右に緩やかなカーブを切ると、城北線の上下線が
分かれ、上り線は一段と高い位置を走るようになりました。
この箇所が、瀬戸線が稲沢方面へと分岐する予定地だったところです。
当初の計画では、岡崎から分岐する岡多線を通り、瀬戸線を経由して
稲沢に向かう貨物列車を通すのが、この城北線の元々の主目的で、
本来は建設されていない、稲沢方面が本線になる筈でした。
幻の分岐地点を過ぎ、左に大きくカーブを切ると、
カーブの途中の尾張星の宮に到着しました。

尾張星の宮からは、家々の向こうに
清州城の模擬天守も見えていました。
清州城の登城記は こちら です:

尾張星の宮を発車し、いよいよ終点の枇杷島へと向かいます。
尾張星の宮 - 枇杷島間の前面展望の様子はこちらです。
キリンビールの工場の前を通り、その先で
左にカーブを切ると、地上に下り枇杷島に到着です。

城北線の枇杷島駅ホームは、東海道本線と並行する
稲沢から名古屋貨物ターミナルへと向かう
貨物線上に設けられています。
城北線が到着した貨物線は、この先名古屋に続いていて、
名古屋からはあおなみ線がこの線路の上を走ります。
あおなみ線の乗車記は こちら です:
あと一駅走れば名古屋に乗り入れることが出来、利便性も
向上する筈なので、それも城北線の残念なところです。
現在、城北線はJR東海が鉄道建設・運輸施設整備支援機構
(旧鉄道公団)から賃借し、JR東海の子会社のJR東海交通事業が
運営するという形態になっています。
このため、JR東海は積極的な対応が取れないと言われています。
この賃借は2032年に終了し、JR東海に譲渡されるそうなので、
それ以降は、勝川駅の接続や、全線電化、名古屋乗り入れなど、
今の城北線からより便利な姿になると期待しています。
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